プログラム


時代が求め、生まれ、進化したCLiP Extension

CLiP Extensionは、京都大学医学部附属病院が誇る臨床研究人材育成プログラムです。
その前身は、2012年、上本伸二病院長(当時)のご依頼を受けた京都大学大学院医療疫学分野の福原俊一教授(当時)が、京都大学医学部附属病院や関係病院の医療者を対象に開講したCLiPに遡ります。CLiPでは、毎週二回程度、夕方に一連の講義や実習が提供されました。多忙な医療者が働きながら臨床研究を系統的かつ実践的に学べるプログラムとして評判になり、3年間で、約500名が受講されました。このプログラムの受講生から京都大学の教授も生まれています。
2016年、CLiPはオンライン化され全国の医療者にその対象を拡げました。福原俊一初代プログラムディレクターは、仲間とともに創意工夫して教育コンテンツと教育方略を開発し、試行錯誤を重ねた結果、他の追随を許すことのない系統的学習プログラムにまで進化させました。開講以来5年間で約700名の医療者が本プログラムを受講し、高い評価を得ていることは、多くの医療者のアンメットニーズを満たしている証しでもあります。また、新型コロナウイルス感染症を契機に日本においてもオンライン学習がやっと活用されるようになりましたが、CLiP Extensionの高い先見性を改めて感じます。
現在プログラムディレクターは、京都大学大学院医療疫学分野の山本洋介教授に引き継がれました。若手教員も多く在籍し、日々プログラムの革新に取り組んでいます。今後もCLiP Extensionを通じて本邦の臨床研究における次世代のリーダーが数多く誕生することを切に願っております。


プログラムの特色

医療現場において必要とされる臨床研究デザイン、解析デザインの実践的なスキル習得を目指します。基本コースと実践コースの2種類があります。

<基本コース>

  • 1年間で、オンライン講義により系統的に学習
  • タブレット、PCなどで、いつでもどこでも学習可能
  • 臨床研究デザイン講義と解析デザイン演習
  •  *修了認定試験があります。

<2年目コース>

  • 基本コース受講者を対象
  • 1年間で、オンライン講義により系統的に学習
  • タブレット、PCなどで、いつでもどこでも学習可能
  • 多様な研究デザイン(臨床予測モデル、メタアナリシスなど)
    応用的な解析手法に関する講義/解析デザイン演習 応用編
  •  *修了認定試験があります。

<オプション>

  • 臨床研究ワークショップ(集合型の実践演習、毎年開催)
    *お申し込みが多数の場合は、選考の可能性があります。
  • 臨床研究Webメンタリング(1年間に4往復実施、所定のフォーマットで臨床研究計画作成を指導)
    *基本コースの受講生のみお申し込みいただけます。受入可能人数に上限があります。

<実践コース>

  • 基本コース修了者を対象
  • 臨床研究のon the job trainingコースで、3年間で論文投稿を目指す
  • 臨床疫学、統計の専門家が個別指導(遠隔および対面)

プログラム受講者の声

受講生のアンケートをご紹介いたします。

「自由な時間に受講できる点が、仕事をしながら学ぶのに大いに役立っています」
「1回で理解できない点や覚えきれないところも多いので、繰り返し講義を聴けるところがありがたいです」
「薬剤師である私が、研究デザインの基礎を学ぶのにとても有用でした。分かりやすく解説してくださり、理解しやすかったです」


カリキュラム

<基本コース>  オンライン講義  ・研究デザイン基礎  リサーチ・クエスチョンの設定、研究デザインの型、測定のデザイン、交絡・バイアス、調査研究、研究倫理など  ・研究デザイン応用  データの記述、検定と推定、回帰モデル、サンプルサイズなど/解析デザイン  ・解析ソフトウェア(Stata)での演習  統計ソフトの使い方、連続変数・カテゴリ変数の解析、線形回帰、ロジスティック回帰、Cox回帰、データマネージメントなど

<2年目コース>オンライン講義応用的な研究デザイン、診断・予測精度に関する研究システマティックレビュー・メタアナリシス、研究倫理応用的な統計解析手法、論文作成法など解析デザイン・解析ソフトウェア(Stata)での演習データ・マネジメント、欠測値の補完繰り返しデータの解析、傾向スコア・その他の手法など
*2年目コースについて

<オプション>  ワークショップ  ・対面型のワークショップで、具体的なケースを用いて研究デザインを学ぶ/Webメンタリング  ・臨床研究計画作成支援アプリを利用した添削指導(1年間に4往復)
*Webメンタリングについて

<実践コース>  論文化を目指した個別指導  ・リサーチ・クエスチョンの設定、研究計画作成、研究実施、解析、論文化、投稿、査読対応まで一連の流れを個別指導する3年間の本格的なコース
*コース内容は予告なく変更となる場合があります。

基本コース講義内容 *2023年4月現在

<研究デザイン基礎>

  1. 研究デザイン7つのステップ/福原 俊一
  2. 疑問の構造化/福原 俊一
  3. 疑問のモデル化/福原 俊一
  4. 測定のデザイン/福原 俊一
  5. アウトカム指標/福原 俊一
  6. デザインの型総論/大西 良浩
  7. 介入研究/大西 良浩
  8. 症例対照研究/大西 良浩
  9. コホート研究/大西 良浩
  10. 比較の質①/福間 真悟
  11. 比較の質②/福間 真悟
  12. 交絡、バイアスへの対処/福間 真悟

<研究デザイン応用>

  1. 記述統計/山本 洋介
  2. 連続変数の比較/山本 洋介
  3. カテゴリ変数の比較/山本 洋介
  4. 線形回帰/山本 洋介
  5. ロジスティック回帰/山本 洋介
  6. 生存時間/福間 真悟
  7. 調査研究①/竹上 未紗
  8. 調査研究②/竹上 未紗
  9. 尺度の使い方/脇田 貴文
  10. サンプルサイズ/大西 良浩
  11. 研究倫理/中山 健夫
  12. QOL研究/福原 俊一

<解析デザイン演習>

  1. 統計ソフトの基本的な使い方/山本 洋介
  2. 連続変数の検定と推定/山本 洋介
  3. カテゴリ変数の検定と推定/山本 洋介
  4. 相関と回帰/山本 洋介
  5. 線形回帰分析/山本 洋介
  6. ロジスティック回帰/山本 洋介
  7. 生存時間解析・サンプルサイズの推定/山本 洋介
  8. *解析ソフトウェア(Stata)を利用して講義、解析演習、課題提出を行ないます。

基本コースの流れ

遠隔学習システムで講義視聴  講義ごとに致小テストで理解度を確認  臨床研究のロジックを系統的に学習 ①臨床研究を正しく解釈 ②研究計画作成の基礎知識習得を目指す
*コース内容は予告なく変更となる場合があります。
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