「医療者のための臨床研究学習プログラム (CLiP) 」開講にあたり

京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センター (iACT) では、「医療者のための臨床研究学習プログラム (CLinician Investigator's Program; CLiP)」を開講する運びとなりました。

 臨床研究は診療の質を改善するための最も有効な手段の一つです。Evidence based medicine (EBM) が日本の医療に浸透しつつある現在、臨床家が日々の診療の中でevidence を活かし、自ら生み出すためには、臨床研究に関する知識や技術の普及が不可欠です。
 京都大学大学院医学研究科では、2000年に我が国初の本格的な社会医学大学院である社会健康医学系専攻 (School of Public Health: SPH) を設置、さらに2005年には、SPH内に1年制の特別コースである、臨床医を対象とした臨床研究者養成コース (Master program for ClinicalResearch: MCR) を開講し、長年にわたり臨床研究教育を実施してまいりました。このMCRコースから、これまで計99名の臨床研究者を輩出し(約30%が大学等の教員・研究者として活躍)、またMCR生による研究から査読付き国際誌(N Eng J Med, JAMA, Ann Surg, BMJ, Circulation 等を含む)に220編を超える原著論文が出版されています。
 我々は、このMCRコースで蓄積された教育内容や方略のエッセンスを、より多くの医療者の方に享受していただくべく、CLiPを開講することといたしました。このプログラムは社会健康医学系専攻MCRコースを受講できない京都大学医学部附属病院等に勤務される医療職を対象としています。
 なお、このプログラムは、京都大学医学部附属病院が、厚生労働省 臨床研究中核病院整備事業の対象医療機関として選定されたことにより、その臨床研究教育の一環として実施されるものです。
 本プログラムにより、日頃の臨床業務で忙しい医療者にとって、臨床研究の知識や技術のエッセンスを修得することがより身近なものになれば幸いです。

2014年4月

医療者のための臨床研究学習プログラム (CLiP)
Co-Director
横出 正之(臨床研究総合センター 早期臨床試験部部長)
福原 俊一(社会健康医学系専攻長 MCRコース・プログラムデイレクター)

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